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さくらひとひら

第5章 卒業式

式の間、何度も見えた横顔に胸が苦しくなった。

みんなとさよならするのが辛くて、なかなか帰れない。
でもホントは、もっと別の想いがあって、今日が最後なんだと思ったら、涙が止まらない。
もう一生会えないんだと思ったら、どうしたらいいかわからない。

やっとの思いで、菜子と教室を出た時、
大貴(ひろき)「ごめん。一緒に来て。」
と手を握られ、連れて来られたところは、あの桜の木の下。
背中を向けられたままの私は最後の別れを告げられるんだと思った。
私の想いが、鬱陶しいと・・・。
だから
美華「ひ、大貴、私もう・・・ちゃんとあ、諦めるから、ごめん・・・ね。」
大貴「違う!!美華に、そんな事言わせる為にここに来たんじゃない。俺は今でも美華の事が好きだ!!」
美華「だ、だって。」
大貴「別れた次の日から、すごく後悔してた。」
美華「じゃあ、どうして?」
大貴「俺、美華の事が好き過ぎて暴走しそうで、傷付けたらどうしようとか考えたら、別れたほうがいいんじゃないかって・・・でも俺の一方的な考えのせいで美華の事たくさん傷付けて・・・俺って最低だよな。ごめんなさい。」
美華「ううん、もういいよ。また大貴の隣にいてもいいの?」
大貴「当たり前だろ。いてよ。ずっと俺の隣にいてて。」
美華「大貴。」
大貴「美華、好きだ。大好き。」
美華「私も好き。大好き。」


うすピンク色したさくらの花びらが風に揺れる中、大貴が優しいキスをしてくれました。






終わり
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