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ふぃくしょんエッチ

第3章 トウメイニンゲン

部屋中は荒らされたように雑然と
している。


それも仕方ない。
もう、ここは何年も使われていない
廃墟なのだから。


だが、今の状況ではそうやって割り切っても
中々、恐怖を取り除く事は出来なかった。


「はぁ…はぁ…はぁ…」

自然と、呼吸が荒くなる。




カラカラン…


「……………っ!!」


また、音が。


カラカラン…


「………………!!」


違う方向からも音がする。



バタンッ!!!!!


そして、勢いよく扉も閉まった。

もはや圧し殺していた恐怖も
口から飛び出しそうになっていた。



「う…あぁあ…ああ…」


思わず、後ずさると。

ドスン…

何か、固いものにぶつかる。


椅子?机?何だ…?



……………ちがう。



だって…俺の後ろには




何もないじゃないか。











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