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ふぃくしょんエッチ

第3章 トウメイニンゲン

やがて、この部屋も静寂に
包まれる。


ぽつりと残されたのは
ジェーンと俺。


ゆっくりと布を剥がすと
眠ったような顔で動かないジェーン。


『ジェーン?……やっと会えたな…』


スッと頬に触れる。


冷たくて、無機質で。



『ははは…こんな所で寝ていたら
風邪を引くよ。ほら、起きて…』

何度頬を暖めても暖まらなくて。

『起きてくれ…ジェーン…
パパと…遊ぼう…なぁ…ジェーン?
ジェーン…ジェーン!!
起きてくれよ…起きてくれ…
頼む…頼むから…ジェーン…』


パパを…置いていかないでくれ…

だけど、ジェーンが答えることはない。


もうパパと呼んではくれない。




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