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オオカミは淫らな仔羊に欲情する

第21章 合コン


 合コン会場となったアクエリオンは
 麻布十番商店街内にある創作料理のお店。

 数カ月前、港区が出版しているタウン誌で
 紹介された事からじわじわ火がついて、
 今では2年先まで予約で一杯という人気店。


 十人掛けのテーブルにて男女交互に座るという、
 典型的なスタイルで合コンはスタートした ――。

 
 私はテーブルの端なので、
 隣に座った生徒会副会長の
 井上くんと話す事になる。


「それにしても意外だったなぁ」

「えっ?」

「いや、まさか和泉さんがこのテの集まりに来るとは
 思ってなくてさ」


 それ、どーゆう意味よ??


「ア、ハハハ……」

「それにさ、ホラ、あの口やかましいお叔母さん?
 に、よく反対されなかったねぇ」


 頭はいいのかもしれないけど、
 こうゆう男子、私は苦手だ。
 
 見た目、頭のキレる理系男子で真面目そうに
 見えるから言い寄ってくる女子は掃いて捨てるほど
 いるってタイプ。
 
 残念ながら今日の男性陣は皆んなそのタイプ
 みたい。

 中身のない会話に疲れ、
 自然とお酒ばっかりグイグイ進んでしまう。

 あーぁ、竜二センセ今頃なにしてるだろ……

 初めての出逢いがどうであったにせよ、
 彼がこんな風に凄く気になる存在になるなんて、
 自分でもびっくりだ。

 井上くんとの話しにも相槌を打つのが面倒になって
 ついつい冷酒に手が伸びる。


 すると斜め向かいにいる利沙が、
 キッと鋭い視線を送ってきて、
 指でNGサインを送ってよこした。

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