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オオカミは淫らな仔羊に欲情する

第31章 明るい明日はきっと来る!


 翌日 ――
 
 京都二条城を左手に望みながら烏丸通りを
 北上する。
 
 目指す祠堂学院大学はすぐそこだ。

 この学舎には大学本部と法学部・教育学部・藝術学部の
 キャンパスが入っている。



 本部棟1階の総合受付で内線を借り
 ”担当者・支倉さん”へ、これからお伺いする旨を
 告げ。
 
 2階の学生課へ向かった。
 
    

「お待ちしておりましたよ、和泉さん」
      
「その節はどうも……」

「いや、しかし、最初あなたから招喚を蹴られた時は
 本当にショックでした」
 
「あ ―― すみませんでした」

「ま、こう言っては何ですが、結果オーライですね。
 こうしてご入学頂ける事になったのですから」
 
「はぁ、そう言って頂けると嬉しいです」


 改めて経歴書を提出して、
 何枚かの必要書類にサインをした。
  
  
「―― 入学式は4月4日、月曜日。
 当学院の南棟大ホールへお越し下さい」
 
「はい」

「それと……和泉さんは現在ご実家にお住まい
 ですか?」

「いえ、まだ東京の学生会館住まいですが、
 入社の数日前までにはこちらへ戻る考えでいます」

「ここは ―― 上京の門跡町ですから、ご自宅から
 通学するには少し遠いですねぇ。
 女子寮の入居も手配しておきましょう」                         
 
「はい、宜しくお願い致します」

「―― では、残り少ない東京生活楽しんで
 下さいね」

「ありがとうございました」



 考えていたよりトントン拍子にコトは進んで
 内定から正式決定になって。
 
 やって来た時より幾分足取りも軽く大学を後にした
 
 さて、これから忙しくなる ――
 引っ越しの荷造り・挨拶回り・
 支えてくれた人達との別れ、そして……

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