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オオカミは淫らな仔羊に欲情する

第10章 新天地・東京へ


 玄関エントランスからホールを抜けていく間、
 めぐみから寮での食事・門限・入浴時間の事や
 大まかな禁止事項とかをかいつまんで説明されたが
 何せホールや廊下にいる生徒同士のバカップルが
 皆揃いも揃って抱き合いキスしていたりして

 そっちの方ばかりが気になってめぐみの説明など
 半分も頭に残っていなかった。
 
 するとめぐみはそんな様子の
 絢音を見て”ククク――”と笑い。


「そのうち慣れるよ」

「そ、そうだとえぇけど……」



 絢音を促し2Fフロアにやって来ためぐみは
 廊下を突き当たりまで進み非常口に向かって*側
 ”200”と ルームナンバーのふってある室の
 ドアをノックして「入るよ咲夜」と室内からの
 返事を待たずにさっさとドアを開けてしまった。


 その室内では両側の壁際にある
 造り付けのベッドの一方で男女が抱き合って
 熱いハグ&キスの真っ最中だった。


 ?! また ―― もう、
 勘弁してよぉ……。(;´д`)トホホ…


「あ、ごめ~ん、お取り込み中だったぁ?」


 キスをリードしていた方の女子、
 七分刈り位のボーイッシュな髪を鮮やかなパッ金
 (ブロンド)に染めている久住咲夜が不機嫌さを
 露わにして絢音とめぐみを睨みつけるように見た。

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