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夜の影

第4章 イン・ザ・ルーム

【翔side】

俺は、女の子みたいにベッドにぺたんと座ったまま、じろじろ見たら悪いかと思って、下を向く。

「もっと見てもいいのに
自分がどんな奴とするのか
解ってないと不安だろ?」

ほら、って言って、サトシはベッドから降りる。

チラッと見たけど、そこばっかり見つめるのもナンだし…。

仕方なく、膝から下だけ見てた。





「布団、めくるから
お前もこっち来て」

言われたからベッドから降りて傍に立つ。

自然体で緊張もせずに立っているサトシは、やっぱり少し猫背で俺より背が低い。

腕が伸びて来て、片手で 抱 き 寄せられた。

サトシがもう片方の手で布団を剥いでいる間、俯いていたから。
しっかり、そこが目に入る。

えっと…。

他人のなんて、なんとなくは見かけるけど、そこまで凝視したことない。
しかも大きくなってるのは、普通見ないし。

けど多分、かなり、立派なサイズだよね…。

これ、ホントに入るの?

無理じゃね?





俺は思わずジーッと見てたらしく、サトシの笑い声で我に返った。

「あははは!
お前、ほんとに猫みたい
見てないふりで
しっかり見てんじゃん
ウケる!
あはははは!」

なんだよ、だって、見ろって言ったじゃん。

サトシは笑い上戸なのか、結構長く笑ってて、俺はちょっと傷ついた。

「はははっ
ごめんっ、だって可愛いからさ
あー面白い」

サトシは俺の首に腕を回しながら、まだ笑いたいのを我慢するみたいに唇を歪ませてる。

悔しいから、思い切り顔を背けると。
クローゼットの扉に、全 裸 の俺たち二人が写ってるのが見えた。

笑いを堪えて変な顔になってるサトシと、首も耳も真っ赤にして目を潤ませてる自分。

なんだか、ちょっと間抜けで、可笑しかった。






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