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夜の影

第40章 恋

【智side】

頭を撫でられながら、言われた言葉を噛みしめた。

今、俺の傍に居ろ、って言ったよね?
じゃぁ。
じゃぁ、オイラ、家に帰されない?

「……いいの?」

俺、アンタの傍に居てもいいの?
一人きりの家に戻らなくてもいいの?

確かめるみたいに背中に腕を回して抱きついた。
さっきまであんなに不安だったのに、夢みたいだ。
てっきり、これでもうお終いって、帰されると思ってたのに。

「何をしてやれるわけでもないが、それでも良ければな」

「うんっ……うんっ……」

嬉しい。
ホントに嬉しい。

「ありがと……」

オイラ、アンタのこと大好きだ。

そう言いたい気持ちは飲み込んだ。
この人から見たらオイラなんて対象外だろう。だから言わない。

だけど、今まで付き合ってきた女の子たちへの気持ちとは全然違う。
初めて本気で人を好きになった。

夢みたい。
一緒に居てもいいんだ。
良かった。

良かったぁ。

「智……お前の名前を言ってみろ」

「え? ……大野智」

急になんだろ、と思いながら返事をすると、抱きしめられてる腕に力が入った。
それが全然緩まなくて。

「ね、何なの? くるしい……」

言ったら離してくれて、唇が降りて来た。
優しく何度も吸われて、すっかり躰の力が抜けてから、手を繋いでもらって車へ向った。





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