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my destiny

第17章 君への想い

【翔side】

何とかギリギリ俺の方が先に郡山駅に着いて、新幹線から降りてくる智君を迎えられた。

あの時の智君の顔を俺は一生忘れない。
事実、今だってはっきりと、鮮やかに思い出せる。





「しょおくんっ!!」





郡山の新幹線ホームで、ドアが開くのを待ちきれないみたいに智君が飛び出してきて。

もうグチャグチャに泣いてて。

走って行って迎えた俺も泣いてて。





「智っ!!」

「しょおくんっ、しょおくんっ!!」

「智っ、ばかっ!!」

「ごめん、しょおくんっ、ごめんっ」





生きててくれることが、そもそも奇跡なんだと思った。

俺はベッドで眠る貴方の頬を撫でながら、人生最大の危機を思い出す。
あの時、失わなくて本当に良かった。

ふふっ。
あの年のライブのことを思い出すと、いつも笑える。
あのヤマンバの演出、ばかばかしくって面白かったなぁ。

あんな事件に遭遇して、生きるか死ぬか、って思いを味わったのに。
あんなに可愛いコギャルになっちゃって。

結構な騒ぎだった筈なのに、男が神妙に自首したことで俺たちが関わっていたことは公表されなかった。

あの時代既に、スマホの普及で誰もがカメラを持っていたのに。
写真や動画の撮影をしたという人が現れなかったのは、運が良かったとしか言いようがない。

智、貴方は本当に俺の運命の人だったよ。
約束通り、あれからずっと俺と一緒に居てくれた。

二人の夢が叶う日が来るなんて。

それこそ本当に夢のような人生だった。

いつまでも、ずっと、変わらずに。
貴方を愛してる。


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