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甘い鎖 ~アイツの愛という名の鎖に、縛られ続けたオレは……~

第1章 オレとアイツの日常 /学校生活

〈ピピピッ ピピピッ〉

携帯電話の目覚ましアラームが、部屋の中に鳴り響く。

「んんっ…」

手を伸ばし、床に置いてあった携帯電話を取る。

そしてアラームを止めて、再び夢の中に…行く前に、部屋の扉をノックされ、侵入者が部屋の中に入ってきた。

「綾(りょう)、おはよう。アラームが鳴ったよ」

「…はよ」

低い声で挨拶をして、それでもオレは布団の中に潜り込んだ。

何でこうも毎朝毎朝、目覚ましアラームが鳴った十秒後にオレの部屋に入るかなぁ。

「二度寝は禁止。とっとと起きる」

そう言って侵入者は布団を勢い良く剥ぎ取った。

「うわっ、さむっ!」

「温かい朝食が待っているから、とっとと支度すること。分かったな?」

「…わーったよ」

布団を取られては、降参するしかない。

「よし、良い子だ」

ぐしゃぐしゃの髪を、キレイな手が撫でる。

そしてそっとオレの額にキスをする。

「早く準備して来いよ」

「へいへい」

侵入者は老若男女がうっとりするほど美しい笑みを浮かべ、部屋から出て行った。

「…はあ」

残ったオレは、深くため息をつく。

毎度のことながら、オレも諦めが悪いのかもしれない。

しかしどう考えても、あの侵入者の方がおかしいと思うのは、オレだけじゃない気がする。

「何で毎朝毎朝、隣の家に来て朝食を作るんだよ?」

侵入者こと真宮(まみや)光雅(こうが)の家は、オレの家の隣だ。

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