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陽咲~ひなさく~

第1章 陽

~咲桜side~

入学式も終わり自分のクラスへと向かった。

はァ。陽向と同じクラスじゃないんだ。つまんないの
そう思い指定されている机に向かう。

席に着くと、「さっくら〜♪」と呑気な声がした。

「弥生ちゃん!」

『田中 弥生 』わたしの中学からの心友だ。
「な〜〜にそんなに、へこんでるの」
「ん〜?ひなが…陽向がいないからつまんないな〜て思ってたけど、弥生ちゃんが同じクラスなら心強い!」
「あんたたちほんとに幼なじみってだけ?付き合ってないの?」
はああぁ〜?私と陽向が?
「ないない!私と陽向は幼なじみ。」
それでも弥生ちゃんは「ん〜〜」と納得していない様子
「でも、あんなイケメンと一緒にいたら、好きになるんじゃないの?」

ん〜確かに、陽向はモテる。けど…
それ以上にも以下にも見たことがないもんな〜〜
それはきっと向こうもそうだと思う。
「仮に好きになっても、陽向は可愛い子と付き合うよ」
そう言うと、弥生が、あ〜もう!と叫んだ。びっくりした私に
「あのね?咲桜?あんたね、彼氏出来たことある?」
「え…?ひ、一人、だけある」い、いきなりなんなの弥生ちゃん〜〜
「その時、山崎くん、どんなだった?」
私が中学の時1年付き合った人がいる。その時の陽向…あ〜。

「急に私と距離取り出して冷たくなった…かな?」
うん。私に初めて彼氏できた時嬉しくて陽向に報告したら、陽向「…ふ〜ん。あっそ」ととても冷たかったっけ
今思い出してもあの時の陽向は怖かった。
「なんで冷たくなったか、分かる?」
え、、
黙っていると、弥生ちゃんは溜息をつき、分かるわけないね鈍感咲桜には。と言い、「ま、高校生活楽しも♪」と綺麗な笑顔で言ってきたから私も「うん♪楽しも」と返事をした。

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