テキストサイズ

注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第17章 修正型電気けいれん療法*(1)


白い壁紙に白い天井。
外が見える窓。





ナースコールのコードがついたベッド。
拘束具なんてどこにもない。






「7033が美優ちゃんのお部屋だからね」







成井さんに案内されて私は個室に移動することができた。







『テレビはないの?』






「残念ながらテレビはプレイルームのを見て。その代わりユニットバスとトイレがあるでしょ?」






『うん。冷蔵庫もあるしね』








テレビなんかなくても全然問題ない。

この部屋は大きな窓があって外が見える。

外の景色に、どれほど心が救われるだろうか。








「桜庭先生が入浴可にしてくれてるよ」






『お風呂に入れるの嬉しい!』







「もうオムツも必要なくなったから取っちゃおうね。いったんベッドに横になってくれる?」






『うん』






横になった私の足を持ち上げ、オムツをとり中身を確認した成井さんが「出てないね…」と、ボソッと独り言のように呟いた。







「うんち、出てないじゃん」






『あ。』






「明日の朝までにお通じがなかったら浣腸するって桜庭先生言ってたよね?ちょっと待ってて。支度してくるから」








うわぁーー。最悪。




せっかく個室に移動できたけど
いいことばかりは続かないーー。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ