注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。
第17章 修正型電気けいれん療法*(1)
「おはよう。いつまで寝てるの?起きな」と、肩を揺すられ、桜庭先生に起こしてもらった。
目を開けると、どうやら朝の回診が始まっているようだった。
右側の肩を触れると、筋肉痛のような痛みがある。
「どうして肩が痛むのか教えてあげようか?」
桜庭先生の言っている意味が全くわからなかった。
「昨夜、PTSD発作が出たんだって。当直医の話では、ベッドが激しく揺れて地震が起きてる再体験をしてたらしいよ」
『PTSD、再体験…?』
「不穏だったから研修医が筋肉注射を打って鎮静をかけたんだ。だからちょっと大変な思いをしちゃったね」
『そうだったんだ。夜中に目が覚めて暗くて怖くて…そこまでは覚えてるけど。他のことは』
「覚えてないのね。悪夢障害は?」
『なかった。』
「僕が当直だったら、その場でお話聞けたのに。ごめんね。」
『ううん。それより先生、今日は保護室から出て個室に移動できるんだよね?』
「ああ、そうだよ。朝食と服薬が済んだら成井くんが移動の手伝いしてくれるはずだから。僕とはまた午後に会おう。午後は個室で心電図するよ」
目を開けると、どうやら朝の回診が始まっているようだった。
右側の肩を触れると、筋肉痛のような痛みがある。
「どうして肩が痛むのか教えてあげようか?」
桜庭先生の言っている意味が全くわからなかった。
「昨夜、PTSD発作が出たんだって。当直医の話では、ベッドが激しく揺れて地震が起きてる再体験をしてたらしいよ」
『PTSD、再体験…?』
「不穏だったから研修医が筋肉注射を打って鎮静をかけたんだ。だからちょっと大変な思いをしちゃったね」
『そうだったんだ。夜中に目が覚めて暗くて怖くて…そこまでは覚えてるけど。他のことは』
「覚えてないのね。悪夢障害は?」
『なかった。』
「僕が当直だったら、その場でお話聞けたのに。ごめんね。」
『ううん。それより先生、今日は保護室から出て個室に移動できるんだよね?』
「ああ、そうだよ。朝食と服薬が済んだら成井くんが移動の手伝いしてくれるはずだから。僕とはまた午後に会おう。午後は個室で心電図するよ」