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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第3章 入院することに

「聴診の後にお腹の触診するから、ベッドに仰向けになってベルト緩めてね」





『うん』





「聴診からね。息吸って、ゆっくり吐いて。繰り返してね。吸って、吐いて。一回咳してみて」






コンコン





「はい、終わりでいいよ。胸の音はとってもきれいだった」






『よかった〜』





「次はお腹診るから膝を立てて力を抜いてね」






『うん』





「痛いところあったらすぐに教えて」





『先生、腎臓ってどこにあるの?』





「腎臓はここ。お臍の裏に空豆みたいのが2つあるんだよ」





『へぇ。そんなところに』





「その辺りに痛みない?」





『どこも痛くないよ』





「おしっこはどう?出にくいとか、逆にトイレが近いとか、ある?」





『おしっこしたいのに出ないことはある』





「それはいつも?それとも時々?」






『割りといつもだと思う』





「おしっこしたいのに出なくなっちゃったのは、いつ頃から?」





『半年くらい前からかな。でもそれが病気だなんて考えもしなかったし』





「美優ちゃんを責めてるわけじゃないんだ。おしっこ出なくてお腹がパンパンで苦しいことはない?」





『苦しいからあんまりお水は飲まないようにしてる』






「水分はちゃんと取れてた?」





『多分』





「朝、お化粧するときに顔が浮腫むことはない?」





『ある。タオルで冷やしたり美顔ローラーでコロコロしたりして、それなりに大変だったりする』





「そっか。それは腎臓病のせいかもしれないな。明日から詳しい検査をして調べてみようね」





『よろしくお願いします』





「こちらこそ。今日はお部屋でゆっくりしててね」





『はぁい』




「夜の回診のときに、検査のスケジュール表を持ってくるね。僕はまた外来に戻るけど何かあったらナースコールね」





『了解。いってらっしゃい』

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