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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第24章 モーニングアフターピル

「いくつか質問をしていくよ。」




問診内容をipadの電子カルテに記入していくようだった。




「エッチはどんな感じたった?」





『思ったよりよかったです。』







「体位はいくつやったの?」






『正常位と横から。』






「桜庭先生はちゃんと射精した?」





『はい。量は3,5mlって言ってました。実物見たかったですか?』





「いや。見たくない。」






『ですよね。』







一通りの質問が終わったあと、勇気を絞り出して自分の気持ちを口にしてみた。






「黒木先生、私の話聞いてもらえますか?」





「もちろん。」





『私、本当は…病院でエッチするなんて絶対に嫌だったんです。はじめてのエッチは好きな人としたかった。だけど、病気だから仕方ない、治療だから仕方ないって泣きながら諦めました…。』







「そうだったんだ…。」







『でも、処置の前に相手が大好きな桜庭先生だとわかって。桜庭先生も私のことが好きだとわかって。場所は病院だったけど、好きな人とするエッチは最高に幸せで満たされました。』






「泣く必要なかったわけだね?」






『はい。涙は、"嬉し涙"に変わりました。』





「じゃあ僕は、恋のキューピッドになれたのかな?」






『はい。(笑)』





「治療が上手くいって患者さんの情緒が安定して笑顔が戻るーー。医者冥利につきるね。」






はじめて会ったとき黒木先生は、冷たい印象しかなかった。




だけど、本当は患者思いで心優しいドクターだった。





「後から飲むピルと化膿止めと抗生物質を処方しておくから。困ったことあったらすぐに産婦人科に連絡して。それじゃお大事に」





『ありがとうございました。おやすみなさい』






「おやすみ。」








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マカロン





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