テキストサイズ

注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第26章 第一売店

エレベーターは使わずに階段で遠回りしてから病棟に戻ってきた。






病棟まで着くと、鍵を開けてもらうために入り口のピンポーンを押した。





「おかえり。遅かったね。」成井さんが出迎えてくれた。






「桜庭先生から連絡あったんだよ。」





『そう。』






「桜庭先生となんかあったの?」






『なんもないよっ。ほっといてよ。』






「荒れてるなぁ〜。桜庭先生が、美優ちゃんに謝っておいて欲しいって。」







『私、部屋に戻って休みたい…』







部屋に戻るとすぐにカーテンを閉めて床に直接座った。




そして、買ってきたお菓子を広げてムシャムシャ食べ始めた。




咀嚼することもなく味わうこともなく、ただただ気持ちを紛らわす為だけに食べ続けた。









ストーリーメニュー

TOPTOPへ