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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第27章 強制嘔吐

瀧くんの報告を聞いて、桜庭先生が私の元へ駆けつけてきた。






眉間にシワを寄せて怒ってるーー。







「あのさ確認なんだけどね、昨日の夜って何か食べた?」






『いや…あの…そのぉ…』






「本当のこと言ってごらん。」






『プリンをひとつだけ。』






桜庭先生は、それ以上は何も聞かず
手術室全体に響く声で




「洗面器!」と、叫んだ。







(なんで、洗面器なのか理解不能。)







すぐに看護師さんが洗面器を持ってきて
私にその洗面器を持たせた。






「吐かせるよーー。」






『吐かせるって?えっ??』







「指突っ込んで全部吐かせるから。口開けて。」






『やだぁ。こわいよっ。』






「食べちゃいけないものを食べた罰だ。
口を開けなさい。」






『やだっ。助けてぇ〜瀧くん。』






「こんな時だけ俺を頼るな。口開けろ、美優」






瀧くんにも怒られて頭を押さえつけられ、容赦なく桜庭先生に指を突っ込まれた。






おえっ…おえっ…


嗚咽反射でゲロゲロする。








「ほら、吐かないと余計苦しいよ。」







そんなこと言われてもプリンは
とっくに消化してるし。






ゲロゲロ ゲロゲロ
ゲロゲロ ゲロゲロ






「胃液しかでなくなるまで終わらせないから。自業自得だからな。自業自得」






『苦しい。もう吐けない。』






「自業自得って漢字で書けるか?」






『書けないし、もう吐けないよぉ…』






「桜庭先生、その辺でやめておいた方が。」





やっと瀧くんが助け船を出してくれた。










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