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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第32章 黒木先生の特別治療Ⅱ

ビクッビクッビクッ







逝かされすぎて体が限界。
ナースコール押してもいい?










『誰かきてーー!』










「美優どうした?!すぐ行くからな。」










ナースコール越しに
りんたんの声が聞こえた。







やっと学会から帰って来てくれたんだぁ。
待ってたんだよ。おかえりなさい。








トントン









「美優、ただいま〜って、なにその格好?」









『りんたん…お願い。バイブを抜いて!』









「どうしてバイブなんか入れてんだよ。すぐに抜いてやるから」









『黒木先生に"治療だから"って言われて…』









「バカ。そんな治療があるか!」









『やっぱり?』









「ちょっと考えればわかるだろうが。全く」










『…りんたぁん。』









「この点滴に媚薬が混ざってんだよ!」








『そうだったんだ。全然気付かなかった…』








「見るからに妖しい紫色してるのに。
変なもの打たれて大丈夫か?」









『大丈夫じゃないよぉ。』











「横になって。僕が診察するから。」










『うん。』









体温計を脇の下に挟んでから
脈拍をはかってくれた。








「お腹は痛くないか?」









『帰り遅かったね。もう会えないんじゃないかって心配だった…』










「札幌に行ってんだ。学会の後に、教授のお供でゴルフのコンペに参加したりしてハードスケジュールだったんだ。」










『どんなに忙しくても、札幌ラーメンやウニやカニは食べてきたんでしょ?』








「それはもちろん。」









『自分だけずるい。お土産はないの?』








「お土産はないけど、元気になったら美優を
北海道周遊に連れていってやる。」










『それは楽しみ。早く元気にならなきゃ。』





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