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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第35章 I love you (3)

昼食の時に大好物のデミグラスハンバーグを残していまい、成井さんに具合が悪いことがバレてしまった。









そして、お昼過ぎにりんたんが診察しにきた。











両手に、私が食べ残したデミグラスハンバーグのトレーを持っていた。








「美優、調子悪い?」








トレーを私の見えるところに置いてから、りんたんが訊ねた。








『なんとなく…。』









「デミグラスが大好物だったのに。どうして残しちゃったのかなぁ?」









『…食欲があんまり。』








「血液検査の結果が出て貧血が酷かったんだ。
だから少しでも食べることで栄養摂って
ほしいんだけど。どうかな?」








そう言って、私にスプーンを握らせた。









「少しでいいから食べてみよう。」







デミグラスソースは、ナースステーションの電子レンジで温めてくれていて、口に入れると出来立てのようだった。









「美味しい?」








『美味しくはないけど』









「でも食べれるでしょ?次は人参食べてみよう。ブロッコリーでもいいよ。」










『いらない。』










「じゃがいもでもいいから。」









『いらない。』








そう言って、スプーンを置いた。







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