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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第38章 シャント

翌日、午後に処置室に呼ばれた。








トントン…









『うっちさーん?処置室ってここであってる?』








「あってるよ。前と場所変わってないもん。」









『そっか。まだ内科病棟に慣れてなくて。』








「わかんないことがあったら何でも聞いて。」








『うん。ありがとう。』









「とりあえず上半身だけ手術衣に着替えてくれる?着替えたら髪をまとめて帽子をかぶって。」









Tシャツの上に手術衣を着て、帽子をかぶってから壁の鏡を見た。







これってどうなのかしらーー?








『うっちさん、この帽子似合ってる?なんだか給食のおばさんみたいで恥ずかしい気がするけど。』










「あはは、給食のおばさんだなんて(笑)」








脇坂先生には、見られたくない。
笑われたくない。乙女心。









「どっちの手にするか決まってる?」









『まだ。でも多分、左手にすると思う。』










「そこにある石鹸を使って水道でよく腕を洗って。」









『うん。』









準備が整うと、うっちさんが電話で
脇坂先生を呼んだ。









「脇坂先生すぐに来るって。もう手を洗ったから絶対に髪の毛いじらないでね。」









『変じゃない?』









「変じゃないから。」







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