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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第38章 シャント

「美優ちゃん、準備できてるかな?」








処置室に脇坂先生があらわれると
すぐに私を見つけて







「帽子が前後ろ、逆だよ。」と、大笑いした。









逆だから、給食のおばさんっぽかったんだ。
あー、もう。めっちゃ恥ずかしい。










「僕が直してあげるね。」










相変わらず、脇坂先生は優しい。










「それじゃ横になってくれる?点滴で鎮静剤と鎮痛薬を入れていくよ。」









処置室のベッドに横になると、胸元まで毛布を掛けて温かくしてくれた。









「シャント手術のことで心配なことある?」









『ううん、別にない。』











「親指を軽く握っててね。チクッとするよ。」











ほんの一瞬チクッとしてから
点滴の薬液が滴下され始めた。










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