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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第38章 シャント

「うっちさん、1%キシロカイン麻酔薬を7mg用意してください。」









『麻酔で眠るの?』









「ううん。意識はあるよ。歯科麻酔と同じだから、お話することもできるよ。」










麻酔薬を注射されても眠くならなかった。
その代わり、腕全体の感覚がなくなっていた。










「美優ちゃん、左腕を触ってるんだけど分かる?」









『…わからない。』







「麻酔が効いてるね。それじゃあシャント手術を始めます。」









腕は、緑色の滅菌シートで覆われ
私にはアイマスクが装着された。










「メスお願いします。」









処置室の空気が緊迫したあと、クラッシックのCDが優雅に流れはじめた。









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