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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第42章 透析*初日のできごと(2)

「どうした?」







私の様子をみにきたのは葵先生だった。








『違うよっ。顔も声もそっくりだけど…私が助けて求めたのは葵先生じゃない。』








「でも具合悪いから医者呼んだんでしょ?
顔色悪いよ。」








『具合は悪いけど…』









「あーーー、もしかして脇坂先生って洋輔のことだったの?間違えちゃった。ごめんね。」









莉奈さんが謝ることじゃない。









「血圧はかってみよう。」









『いやぁっ。』









「静かに。ここは他の患者さんとの共有スペースなんだからマナーを守って。」








『いやっ。本物の脇坂先生がいいっ。』








「大人しく血圧はからせて。そうしなきゃ
何も分からないし何もしてあげられないから。」









『…』







「血圧が低下してる。莉奈、生理食塩水持ってきて。」









「昇圧薬はいいの?」









「とりあえずそれだけでいい。」









「洋輔は?洋輔は呼ばなくていいの?」









「ああ。慣れない環境にストレス感じて、軽いパニックになってるだけだ。」










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