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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第42章 透析*初日のできごと(2)

「体さっぱりしてよかったね♪」










『莉奈さん、ありがとうございました。』









「どういたしまして。」









『でもまだ2時間半も透析があって
退屈でたまらないです。』









「映画は?」








『見たいのがなくって…雑誌が見たいなあ。』








「見たい雑誌があるなら私が売店で買ってきてあげようか?」









『それはさすがに申し訳ない気がするけど、いいんですか?』









「駄目だ。」








私は、莉奈さんに聞いたはずだったのに。
なぜか葵先生が答えていた。









「莉奈は看護師なんだから
くだらない雑用はするな。」










「くだらないって言うけど、患者さんがして欲しいことを…」








「他の患者さんにはそんなことしてないだろ?何故、この子だけ特別扱いする?」









「美優ちゃんは洋輔の患者さんなんだから
それくらいいいじゃない?」










「駄目だと言っているんだ。ここにいる患者全員が身勝手な要求をしだしたらどうする?全てに対応できるのか?」










「私はね、自分の休憩時間に売店に行くからそのついでにと思っただけよ。私は葵と違って、それくらいの融通はきく人間なの。」










「僕が融通のきかない人間で悪かったな。」








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