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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第43章 包み込む愛

*夜の回診







トントン








「こんばんは。夜の回診です。調子はどうかな?のんびりできてるかな?」









『うん。まぁまあ。』









「さっき莉奈から聞いたんだけど…透析の間、泣かずによく頑張れたんだってね。」









『ううん。』










「これは僕からの"ご褒美"だよ。」









脇坂先生から手渡されたのは、憧れの有名ブランドのリボンが付いた箱だった。










『ご褒美、もらえるの?』









「どうぞ。」







『ありがとう。あ、でもやっぱり…。』







一度受け取ってみたけれど、すぐに脇坂先生に
お返しした。









『欲しいけどもらえない。だって私、もう透析やりたくないんだもん。』









「そんなこと言わずに、受け取ってほしいな。」









と、言いながら私の両手の中に箱を置いた。








『ありがとう。』








「どういたしまして。開けてみて。」







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