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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第42章 透析*初日のできごと(2)

17:25になってやっと脇坂先生が
透析室に戻ってきてくれた。






今度こそ、本物。






「美優ちゃん遅くなってごめんね。
お迎えきたよ。」








『わきさかせんせぇ〜!』








「ごめんね。病棟のトラブルで抜けられなくてさ。透析はどうだった?」








『最悪だったよ………。』








「え?」








『透析がどうこうっていうより、葵先生と莉奈さんの喧嘩がすごくて…参っちゃったよぉ。』








「あの二人、透析室でも喧嘩してるの?」








『人目も憚らずにね。』








「でもあの二人はあれで結構上手くいってるからねぇ。まわりは、あんまり気にしなくていいと思うよ。(笑)」








『勘弁してほしい。こっちは頭痛はするし、吐き気はするしで大変なのに。』









「ごめんね。僕からも言っておくから。」









♪ピピピピ







「あ、終了時刻だ。美優ちゃん、はじめての透析お疲れさまでした。」









『なんかもうすっごく疲れた。だるい』








「よく頑張ったね。車椅子でお部屋に戻ろう。」








『ああ、しんど。』









「お部屋でゆっくりしよう。」














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