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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第50章 恋愛感情

脇坂先生に車椅子を押してもらい病院の中庭に出た。







あっちこっちで新緑が芽吹き爽やかな風が吹く。





風、薫る5月だ。








中庭に置かれたベンチの横に車椅子をつけてもらい、そこに移乗した。








そして、脇坂先生と隣同士で仲良く腰掛けた。








「土曜日だからな、人が多いね。」








『噴水で水遊びしてる子供達がいるよ。なんだかすごく楽しそう。』







「今日は少し汗ばむくらいの陽気だもんね。」








『私も靴下脱いで一緒に遊びたい。立って歩いてみる。』







「まだ無理だって。やめておきな。」






『やってみる。』







「靴持ってきてないのに。どうしても歩くつもりなんだね。」








『せーの』で、車椅子から立ち上がるまでは上手くいった。








「ゆっくりね。転びそうになったら僕につかまって。」







『あっ!』







右足を一歩前に出そうとした時、車椅子ごと
転倒してしまった。








『あ、いててて…!』






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