テキストサイズ

注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第51章 最愛

面談室のドアが開き、患者さんのご家族が退室すると、感動の再会が待っていた。






「美優ーー!」






『りんたぁんーー!会いたかった!』







「元気になって良かったな。心配してたんだぞ」








『ごめんね。』







「脇坂先生から"意識不明でICUにいる"って連絡があって…透析のカテーテル抜去する前に最後の"お別れ"をしてやってくれって。」







『(最後のお別れ?なにそれ?)』







「それで夜遅くにICUに行って、仕方なく"別れのキス"をしたんだ。そうしたら…」








『私が目を覚ましたのね?』







「ああ。驚いたんだ。」







『私は、その時に王子様にキスをされて目覚める夢を見ていたの…。その王子様の正体は…』








「僕だ。」







『やっぱり…りんたんだったのね。きっとそうだと思ってた。』





ストーリーメニュー

TOPTOPへ