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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第7章 エコー検査

「ゼリーがひんやりするけど我慢できそう?」




『なんとか』





「プローベで腎臓の形とか大きさが直接診れるんだ」





『へぇ〜』




「検査中はおしゃべり禁止ね」





『はぁい。静かにしてます』




時々、「息を止めて〜」って言われる以外は
なんにも会話なし。




部屋全体の空気が重い。




そのかわり近距離で脇坂先生の顔が見れる。




はじめはイケメンだなって思いながら見てたんだけど、途中から真剣な医者の表情でモニターを凝視してた。





もしかして私、悪い病気なの?





無意識のうちに、プローベを握る先生の手に自分の手を重ねていた。




「うわぁ。びっくりした」





先生はプローベを置いて、慌てて私を見た。




『驚かせてごめんなさい』




「いいけど…どうしたの?不安になっちゃった?」




『だって先生があまりにも真剣な表情だったから』




「怖がらせちゃったかな?エコー検査はこれで終わりだから、また手を繋ごうか?」




『うん』





指と指を絡めてギュッと握り返してくれた。




「結果を話してもいい?」



本当に悪い病気だったらどうしようって思った。



「う〜んとね、左右両方とも腎臓が萎縮して小さくなってるんだ。それと腎臓の中に少しおしっこがたまってた。あとは、腫瘍なし。結石なし。カリウム沈着してるけどおそらく良性」





『いいの?悪いの?どっち?』




「他の検査の結果も合わせて後でちゃんと説明するから、もう少し待っててくれる?」



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