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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第13章 心理的反応

週末の回診は、いつもより特別だった。




「おはよう〜」




『白衣着てないの?私服?』




「オフだもん。私服だよ」




『週末の約束、覚えててくれた?』





「覚えてるよ。診察してみて問題がなければ
帰らせてあげられる」




「はい、体温計」と渡されて、緩く脇の下に挟んだ。




「ずるしてない?しっかり挟まないと正確に計れないよ」






『ちゃんとやってま〜す』





♪ピピピピピ





「鳴ったね。ちょうだい」






体温計を見るなり先生の表情が曇った。







「ああ…これはちょっとダメだ。外出はさせられない」






『何度?』






「37,8℃」





『平熱じゃないとダメなの?』






「37,5℃までなら許可してあげようと思ってたんだけど」






『0,3℃くらいおまけしてよ。おねがいします』





「う〜ん、それは厳しいかなぁ。今日はあきらめて」





『そんなぁーー』






「今日は病室で過ごしてもらって明日ね」







がっかり。がっかりだよ。






「明日のために解熱剤使っておく?」






『その方がいい?』






「まぁその方が確実だよね」






『じゃあやっとく』






「やるなら横を向いて下着をさげて」






『点滴じゃないの?』





「うん。注射にしようと思って」





『注射ってお尻?えっ?』





「文句言わないの。準備して」





『はい。しますぅ』




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