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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第14章 フェロミア

*午後1時




私と担当看護師内田くんとで心電図検査室に向かって歩いていた。




『うっ…』





「どうした?」





『なんか…きもちわるいの…』





「え?そんな急に?」





『食あたり、かな?』





「吐きそう?」





『ムカムカするだけ。うっ…』





「ここで吐かないでよ」





『うっ…うっ…』





「脇坂先生に電話してみるから、ここに座ってて」






廊下の長椅子にサンダルを履いたまま寝転んだ。




『うっ…』





ムカムカがどんどん酷くなっていく。





「美優ちゃん、脇坂先生がこのまま心電図検査室に行ってくださいって」





『こんなにきもちわるいのに?』






「多分、お昼に飲んだ貧血薬の副作用だから心配ないんだって」






『うっ…』





「軽い吐き気がしても実際に吐くことはないらしいから。検査室で休ませてもらおう。近くで車椅子を借りてくるからここにいて」





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