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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第14章 フェロミア

★夕食時



脇坂先生やっときてくれたのかな?
せんせい、待ってたよん。




「美優ちゃん、食前に貧血薬がでてるからね〜」




いただきます!の直前に内田くんが
またアレを持ってきた。






昼間アレで散々な目にあってるのに。






「お水ある?」





『飲まないよ』





「飲まないわけにはいかないよ」






『飲むわけないじゃん』





「副作用が辛いのはよくわかるけど
飲まないわけにはいかないでしょ?」






『なんで?』






「なんでってさぁ〜。薬飲まなかったら夕ごはん食べられないよ」





『なにそれ?交換条件のつもり?』






「夕ごはんは美優ちゃんの大好きな
メニューなのになぁ」






『もしかしてデミグラスハンバーグ!?』






「あたり。大好きでしょ?温かいうちに食べた方が美味しいよ」





デミグラスハンバーグって聞いただけで、ヨダレが。





「先に飲んじゃって。ね?」






『置いといて』





「飲むなら僕の目の前で飲んでくれる?」






『ひどい。信用してくれてないっ』







「はいはい、お水ある?お薬あげるから手を出して」







『いやぁ』






「看護師をそんなに困らせないでよ」






『困らせてるのは内田くんだよっ。私、お腹ペコペコなのにさぁ』





「デミグラスハンバーグが食べたいなら
薬を飲んで」





『薬は飲まずにデミグラスハンバーグだけが
食べたいのっ』






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