テキストサイズ

注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第16章 精神科 急性期閉鎖病棟

「美優ちゃん、とりあえずベッドに移動して横になろうよ」






『私やっぱり、こんなとこいやっ…!内科に戻りたい!脇坂先生、助けにきて!』




助けを求め、車椅子から降り保護室のドアの方へ四つん這いで逃げようとした。





「ここには脇坂先生は来ないよ」






「桜庭先生、どうしますか?」




「拘束しちゃおうか?」




「そうします?」




「まあ仕方ないよね」




「わかりました」





桜庭先生が、ドアを叩きながら泣き叫ぶ私を
抱えあげてマットレスの上に放った。





『…やめて。やめて』





「少しの間、拘束するから大人しくして」






マットレスの上で羽交い締めにされ

右と左の手首と足首に枷が嵌められ
胴体は抑制ベルトで固定された。





ここは精神科だから、それが当たり前なんだろうか。





天井を見上げるとカメラが埋め込まれてた。





「ナースコールも天井についてるから用事があったら大声出して」







『拘束なんかされたくないよっ。これ外して。外してくださいっ』






「静かにできるなら早めに取ってあげるよ。美優ちゃんはまず、この環境に慣れることからスタートしよう。あとでまた回診にくるから」













ストーリーメニュー

TOPTOPへ