その恋を残して
第3章 私と、蒼空の秘密
「松名様……こちらへ」
沢渡さんに勧められ、俺はソファーに腰を下ろす。
「コーヒーで、よろしいですか?」
「あ……いえ、お構いなく」
「すぐに、お持ちいたしますので」
と、沢渡さんはリビング脇に設置されているバーカウンターにて、手慣れた様子で俺にコーヒーを淹れてくれた。
そうしてから――
「さて……どう、お話したものですかな」
コーヒーを半分程、飲み終えた時。沢渡さんは、それまでしていた当たり障りのない会話を切り上げ、本題に入ろうとしていた。本題とはつまり、蒼空そして、怜未(?)の話であろう。
「まずは、こちらをご覧になってください――」
沢渡さんは、懐より出した一枚の写真をテーブルに置いた。その写真には小学生くらいの二人の女の子が映っている。
「失礼します」
それを手にして、俺は驚く。その二人の女の子が瓜二つだったこと。そして、この女の子たちは、もしかして……そう思って。
「まさか、これは?」
「幼少の頃の蒼空さまと怜未さま――お二人は、双子の御姉妹なのです」
「――!」
それを聞いた俺は一つの疑問を解かれる。だが同時に、もっと大きな疑問に苛まれることとなっていた。
帆月が日々、違って感じられたのは、彼女たちが二人であったから?
だが、いくら双子とは言ったって――周りに気づかれずに二人で一人を演じるなんて、そんなことが可能なわけがないじゃないか――!
いいや、違う。本当に気にかけるべきことは他にある。そんなことが許されるはずもなく、そんなことをする理由が見当たらないということ。
「どうして――」
興奮して立ち上がろうとした俺を見て、沢渡さんは左の掌を出す。それに制される形で、俺は動きと言葉を止められた。
「誤解を招く前に……最初に残酷な事実を、お伝えしなければならないことを、どうかお許しください」
「残酷な……事実?」
固唾を呑んで、次の言葉を待つ俺に――沢渡さんは静かに、こう伝えた。
「今より、三年前のことです。怜未さまは、交通事故に遭われ……お亡くなりになられました」
「――!?」
当然それだけを聞いた俺には、未だその言葉の意味がわからなかったけど。
只――心だけが頻りと、ざわめいていた。
沢渡さんに勧められ、俺はソファーに腰を下ろす。
「コーヒーで、よろしいですか?」
「あ……いえ、お構いなく」
「すぐに、お持ちいたしますので」
と、沢渡さんはリビング脇に設置されているバーカウンターにて、手慣れた様子で俺にコーヒーを淹れてくれた。
そうしてから――
「さて……どう、お話したものですかな」
コーヒーを半分程、飲み終えた時。沢渡さんは、それまでしていた当たり障りのない会話を切り上げ、本題に入ろうとしていた。本題とはつまり、蒼空そして、怜未(?)の話であろう。
「まずは、こちらをご覧になってください――」
沢渡さんは、懐より出した一枚の写真をテーブルに置いた。その写真には小学生くらいの二人の女の子が映っている。
「失礼します」
それを手にして、俺は驚く。その二人の女の子が瓜二つだったこと。そして、この女の子たちは、もしかして……そう思って。
「まさか、これは?」
「幼少の頃の蒼空さまと怜未さま――お二人は、双子の御姉妹なのです」
「――!」
それを聞いた俺は一つの疑問を解かれる。だが同時に、もっと大きな疑問に苛まれることとなっていた。
帆月が日々、違って感じられたのは、彼女たちが二人であったから?
だが、いくら双子とは言ったって――周りに気づかれずに二人で一人を演じるなんて、そんなことが可能なわけがないじゃないか――!
いいや、違う。本当に気にかけるべきことは他にある。そんなことが許されるはずもなく、そんなことをする理由が見当たらないということ。
「どうして――」
興奮して立ち上がろうとした俺を見て、沢渡さんは左の掌を出す。それに制される形で、俺は動きと言葉を止められた。
「誤解を招く前に……最初に残酷な事実を、お伝えしなければならないことを、どうかお許しください」
「残酷な……事実?」
固唾を呑んで、次の言葉を待つ俺に――沢渡さんは静かに、こう伝えた。
「今より、三年前のことです。怜未さまは、交通事故に遭われ……お亡くなりになられました」
「――!?」
当然それだけを聞いた俺には、未だその言葉の意味がわからなかったけど。
只――心だけが頻りと、ざわめいていた。
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