その恋を残して
第4章 二人で一人なのです
「二人の違い――か」
考えに行き詰った俺は、さっき母親に言われた言葉を呟く。
違いと言われても。そもそも同じ身体なのだから、外見は全く同じ。言葉遣いは結構違うけど。普段は怜未が蒼空の口調を真似ているようだから、俺の前で話しているのが彼女の本来の口調なのだろう。
否、そんなことではなく、もっと根本的な違いを考えなければならない。例えば、二人が俺に対し示した行動で印象深いこと。
それなら――
怜未は俺に、自分たちの秘密を明かした。
蒼空は俺に、自分と等しく怜未を想うことを望んだ。
――と、そんな感じだろうか。しかし、その二つの事柄をして、二人を違うとするとには無理があるだろう。
だったら――こう考え直せば、どうだろう。
怜未は俺に、自分たちが『二人』であることを明かした。
蒼空は俺に、自分たちを『一人』だと思うことを望んだ。
つまり、蒼空は一つの身体を等しく使うことを当たり前のように思っているが、怜未はそうは思っていないと考えられまいか、ということ。
そもそも、怜未は自身の身体を失っている。ならば、蒼空の身体を借りていることを後ろめたく思っているのかもしれない。
そう考えれば、怜未が自分に向けられそうな好意に対して、事前に拒絶した意味も理解できそうな気がする。
「……」
些か飛躍しすぎた気になり、俺はとりあえず思考を止める。それに、このまま考えた末に導かれそうな結論は恐ろしいものになりそうな、そんな予感がしていた。
俺は心の片隅にその想いを留めつつ、もっと怜未のことを知らなければならないと感じる。
考えに行き詰った俺は、さっき母親に言われた言葉を呟く。
違いと言われても。そもそも同じ身体なのだから、外見は全く同じ。言葉遣いは結構違うけど。普段は怜未が蒼空の口調を真似ているようだから、俺の前で話しているのが彼女の本来の口調なのだろう。
否、そんなことではなく、もっと根本的な違いを考えなければならない。例えば、二人が俺に対し示した行動で印象深いこと。
それなら――
怜未は俺に、自分たちの秘密を明かした。
蒼空は俺に、自分と等しく怜未を想うことを望んだ。
――と、そんな感じだろうか。しかし、その二つの事柄をして、二人を違うとするとには無理があるだろう。
だったら――こう考え直せば、どうだろう。
怜未は俺に、自分たちが『二人』であることを明かした。
蒼空は俺に、自分たちを『一人』だと思うことを望んだ。
つまり、蒼空は一つの身体を等しく使うことを当たり前のように思っているが、怜未はそうは思っていないと考えられまいか、ということ。
そもそも、怜未は自身の身体を失っている。ならば、蒼空の身体を借りていることを後ろめたく思っているのかもしれない。
そう考えれば、怜未が自分に向けられそうな好意に対して、事前に拒絶した意味も理解できそうな気がする。
「……」
些か飛躍しすぎた気になり、俺はとりあえず思考を止める。それに、このまま考えた末に導かれそうな結論は恐ろしいものになりそうな、そんな予感がしていた。
俺は心の片隅にその想いを留めつつ、もっと怜未のことを知らなければならないと感じる。
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