
テレフォン -約束-
第4章 シゴト
次は体勢を変えるように指示が出ました
助かった…
と、信じたかった…
アタシは言われるがまま、四つん這いの体勢になりました
“お尻が綺麗だね…”
“お尻が綺麗だね…”
“お尻が綺麗だね…”
表情は見えないけど、獣が卵白みたいな涎を垂れ流しているように感じました
“お尻が綺麗だね…”
“お尻が綺麗だね…”
“お尻が綺麗だね…”
“お尻が綺麗だね…”
手のひらで撫でながら
ひしひしと
へばりつく不条理な欲求
ふつふつと
トーンが沸き上がりゆく声
アタシは、群れからはぐれた羊のように
ぶるぶると
恐怖を感じて震えました
びくびくと
精神の根元から震えました
