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テレフォン -約束-

第5章 原色の気球と花束と




某メーカーのサラリーマンで、転勤してきたばかりだという由井さん


アタシのあまり知らない九州南方の島の出身


そんな、服を着ながらの弾まない今頃の自己紹介は、居心地の悪い空間そのものでした


部屋を出るときに少し“ほっ”としたのは覚えています


あっさりとした、スクランブル交差点でのお別れでした


“バイバイ”と手を振りました


スクランブル交差点を泳ぎゆく、由井さんの背中には、何も書いていないように感じました



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