
テレフォン -約束-
第6章 灰色の記憶
・・・・そんな、おばあちゃん
学校にいくことも許されず、まともに字も書けないままでも
戦争に負けた頃には、女盛りを迎えて
恋をして
子宮に子を宿して産んで
乱れ髪をも気にする暇もないままに育てあげ、ようやく人生に一息がついていた頃での
苦労の答えが警察沙汰…
・・・・だけど
おばあちゃんはそんな愚痴も言わず、絵本や洋服を買ってくれたのでした
“自分が読めなかった…”
“自分がオシャレさん出来なかった…”
そんな、女の子の気持ちを知るように
愚痴も言わずにニコニコ笑ってくれたのでした
