テキストサイズ

テレフォン -約束-

第6章 灰色の記憶




・・・・・・・・なのになのに


アタシはそんな、おばあちゃんとの“約束”を破りました


おばあちゃんには・・・・

酸欠状態で見た、8ミリフィルムで映る人生の“走馬灯”の中に麗しく可憐な場面が少しでもあったのでしょうか?


おばあちゃんが・・・・

細胞組織と心拍が停止する瞬間に最後に考えたのは、

“綺麗に着飾ってオシャレさんをして、宝石なんかを身に付けて
好きな人と手を繋いで字幕映画を観ている”

夢の中での憧れで描いた
自分自身に会えたのでしょうか?


そんな……

そんなであったって、信じることでしか

おばあちゃんの首の跡の青紫色のように“約束”が責め立てて、怒り狂って、罵って

アタシのココロの中を同じ色に染めるのです


ストーリーメニュー

TOPTOPへ