
テレフォン -約束-
第7章 極彩色の万華鏡
何よりも“まー君”は自分のシゴトの事で悩んでいるようで切羽詰まるような表情が増え
和気あいあいな戯言みたいな甘い時間はほとんどなくなりつつありました
アタシの知らない平日の顔も週末に見せるようになり
「田舎に帰りたい」
なんて、アタシの存在を忘れているかのような弱音も増えました
アタシは出来るだけ黙って見守るつもりでも
やっぱり、苦しそうな姿を見ていると不得意な励ましの言葉を掛けてあげるけど
アタシの希釈した言葉は逆効果だったり
アタシの拙い言葉は逆に苦しめてしまったり
“まー君”のためにしてあげることを見失いそうになっているアタシがいました
