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テレフォン -約束-

第7章 極彩色の万華鏡




・・・・鏡の前で髪を乾かすアタシ


テレビタレントの誰々に似ているとかお客さんは好き好きに言ってくれるけれど

アタシ自身はあまりピンとは来なかった


だけど、お客さんはアタシをそんなテレビタレントや、片想いの誰かや、忘れられない誰かや、そんな抱けない誰か達を投影させて快楽の果てを求めるのです

アタシは都度都度にその媒体や被写体となりきってあげて欲求を満たさせてあげることにより

今ではお客さんのご指名が来ずに悩むこともなく、店でも人気嬢になっていました

そんな“まー君”以外の陰径をくわえて舐めて、他人を癒していあげている日々を過ごしているうちに


皮肉なことに今では、いちばん癒してあげたい“まー君”とはセックスレスになっていました

そんな圧倒的少数な入浴と身支度を終えて12月23日の勤務に向かうアタシでした


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