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テレフォン -約束-

第7章 極彩色の万華鏡




ため息と嗚咽が漏れました
それは、空港の人波の中、空調の微風に流されて

音も立てず
色も示さず
香りも残さず

新たな現実の1秒に消し飛ばされました

アタシはそのまま1人でしばらく



     ぽ つ ん



と立っていました

ぽっかりと穴の開いたような、ココロを埋めるものは“まー君”が契約してきて手渡してくれた2人専用の真っ白い携帯電話でした



その待ち受け画面には


楽しく笑って頬を寄せ合って写る






あの頃の2人がいました


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