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Happiness day

第17章 Bittersweet 

「翔くん、そろそろ起きて?」

翔くんを起こすのに声を掛けると、翔くんがぼーっとした目で俺を見る

「あっ…ごめんっ」

俺と視線が合うと慌てて体を起こした

「翔くん?」

「重かったでしょ…」

「いや、全く」

ってのは嘘だけど
まあ、しあわせな重みってやつだから、全然、苦にならなかった

それでも申し訳なさそうな顔をする翔くん

いつか、俺の肩にもたれるのが当然くらいの関係になれたらいいな

「さ、目覚めのコーヒー飲んで、あったまってから行こうか」

「あ、うん」

ふたりのカップを手に持って立ち上がると、翔くんも後をついてくる

「翔くんはカフェオレ?」

「うん。ありがとう」

翔くんのカップをセットして、カフェオレのボタンを押す

入れ終わったカップをよけて、自分の分のカップをセット

「智くんは普通のコーヒー?」

俺の押すボタンを見て、翔くんが確認する

「うん」

返事をすると、翔くんが砂糖とミルクのポーションを取ってくれた

「ありがとう」

お礼を言うと、ニコッと笑ってくれる

ふたつのカップを持って席に戻ると、翔くんが俺の隣に座った

『こっちでいいの?』って聞こうと思ったけどやめた

きっと、俺についてきて、無意識にこっちに座っちゃったんだよね
だとしたら、指摘したことで、あっち側に移ったら勿体ないじゃん?
少しでも近くにいたいんだから

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