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「おはようございます、坂本さん」

「あれ？櫻井くん、どうしたの？担当マネージャー、国分さんだよね？」

「少し体調を崩したようなので、今日は代打です」

「え？大丈夫なの？」

「はい。先程連絡を取りましたが、元気そうでした
明日には復帰出来るみたいです」

「まぁ、たまにはゆっくり休んだ方がいいよ
あの人、常に走り回ってるイメージだから」

「そうですね」

智のマネージャーに付いてた時は、本当に走り回ってた
今度の子は大丈夫みたいだけど

「で、その子が増田くん？」

「はい、そうです。よろしくお願いします」

俺の後ろに控えていた新人の増田くんを軽く前に押し出す

「増田くん、ご挨拶して？」

カチコチに固まってしまっている増田くんに小さな声で伝えた

「まっ、増田です！よろしくお願いしますっ！」

勢いよく、90度くらいに頭を下げて挨拶をする増田くん
相当緊張してるな…

「ははっ！そんなに緊張してたら、いい声出ないぞ？
少し落ち着いてから始めようか」

「すみません、よろしくお願いします」

「デビュー曲だからね、良いもの作らないと…
そういえば、智の次の曲聴かせてもらったけど、凄く良い曲だな
レコーディングが楽しみだよ」

「え？坂本さん、もう聴かれたんですか？」

「あれ？櫻井くんはまだ聴いてないの？
この前、松岡さんに聴かせて貰ったんだけど」

曲、出来上がってたんだ…
それすら知らなかった

「ここの所、ライブの準備で忙しいので、曲が出来てることすら知りませんでした」

「あぁ、明日からだったな、智のライブ。
俺も行かせてもらう。楽しみにしてるよ」

「ありがとうございます」

「それじゃあ、控室で少し緊張ほぐして来て」

「はい、失礼します」