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Happiness day

第18章 Song for you

一度控室で緊張をほぐし、いつも智に用意してるのと同じ飲み物を増田くんに飲ませた

「もう行けそうかな?」

「はいっ!ありがとうございます」

レコーディング室の隅の方で、増田くんの歌を聴かせてもらう

さすが松岡社長…また歌の上手い子見つけて来たなぁ…

緊張のほぐれた増田くんの様子を見て安心したら、今度は智の事が頭に浮かぶ

もう新曲出来てたんだ…
勝手な思い込みだけど、出来たら一番最初に聴かせて貰えると思ってた

仕事だもんな…マネージャーの俺よりも先に聴かせなくちゃいけない人たちがいるのは当然か…

そう頭ではわかっているのに、心がモヤモヤする…


「今日はありがとうございました」

「出来上がり楽しみにしてるね
CD出たら買わせてもらうから」

「いえっ!是非プレゼントさせてください!
今日のレコーディングの出来が良かったのは、櫻井さんのおかげなんで!」

帰り際、坂本さんに褒められたからかな
車に乗ってからの増田くんのテンションが高い

「俺、何もしてないし…
送り迎えだけしかしてないじゃん」

「いえ!櫻井さんに見ていてもらえてるだけで緊張がほぐれました
いや〜、大野さんが羨ましいなぁ…
俺もマネージャー、櫻井さんがいいなぁ…」

「それは無理だね。『ずっと傍にいる』って、大野さんに約束しちゃったから」

「え〜?なんすかそれ?プロポーズみたいじゃないですか」

「ち、違うから!マネージャーとしてだよっ」

なんだよ、プロポーズって!

思い返してみると、智の言葉は確かにプロポーズの言葉みたいだけど…

『ずっと俺の傍にいてくれ』…なんてさ

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