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Happiness day

第20章 GUTS!

ニノに言われた事で、ひとつ気が付いた事がある

「なぁ、智…」

「ん〜?」

その日の夕食時、その事について智がどう考えてるのか聞いてみる事にした

「もうすぐギブス外れるじゃん…」

「ん、よかったな。箸を使ってメシが食えるようになるぞ?」

結局、最後まで箸は使わず食事した
練習したところで、無駄な努力で終わりそうだからな、俺の場合

「それはそうなんだけど…
その後、どうするの?」

「どうするって、メシ食った後?」

「違うよ…智が俺の世話する必要なくなるじゃん…
てなると、家に戻るの?」

おそらく、それが当たり前の事…
智には智の家があるんだから

でも、この1ヶ月の生活があまりにも充実してたから…
手が自由に使えるようになって、智と一緒に家事が出来る様になれば、もっと楽しいんじゃないかって…

「何?寂しくなっちゃった?
俺がいなくなるの想像して」

智がニヤッと笑う

「べっ、別にっ!寂しくなんかないしっ!
ただ、どうするのか聞いておこうと思っただけだしっ!」

「なんだ、残念。翔が寂しいって言うなら、このままここに住んじゃおうかなぁ、なんて思ってたんだけど、寂しくないのか…
じゃあ、家に帰るわ」

えっ、そんな風に考えてたの⁉︎

「さっ、寂しいっ!
寂しいから、ここに居て!」

智の腕をガシッと握ると、智は嬉しそうな顔をする

「翔がそう言うなら居てやるよ」

なんかズルい…俺、今、言わされた感じじゃん

そう思ったけど、それで智がここに住んでくれるなら安いもんか

智との心地いい生活が続けられるんだから

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