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Happiness day

第25章 夏疾風

「どこに行きたい?」

「智くんは、行きたい所ないの?」

「俺?俺は翔くんと行けるなら、どこでもいいよ?」

「…僕も…智くんと一緒ならどこでも…」

恥ずかしそうに、そう言う翔くんが愛しくて…

「翔くん…」

名前を呼んで、隣に座る翔くんの腰に腕を回した

ピクっとしながらも、俺の方を向いてくれる翔くん…

ゆっくりと距離を詰めて行くと、翔くんの瞼が閉じる

「さとしー!飲み物持ってきたわよ〜」

トントンと鳴る部屋のドア

「うわっ!」

慌ててふたり距離を取った直後、ドアが開いた

「どうしたの?変な声が聞こえたけど」

「かあちゃんが、いきなり声掛けたからだろ!」

「あら?だったら、どうやって声掛ければいいのよ」

確かにそうだ…普段なら、あのくらいの声で呼ばれるのは当然

「…やっぱり」

かあちゃんが翔くんの顔をジッと見る

「な、なにがやっぱりなんだよ…」

まだキスはしてないぞ?
翔くんに変化はないハズ…

ドキドキしてかあちゃんの答えを待つ

『はぁ…』と溜息を吐いたかあちゃん…

「アイスコーヒー持って来て正解…
暑いでしょ?翔くんの顔真っ赤よ?
智ったら、気が利かないんだから…」

いや、翔くんの顔が赤いのは、かあちゃんが突然部屋に乱入して来たからだから

これだから、家の中でキス以上の事が出来ないんだよ…

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