テキストサイズ

Happiness day

第26章 太陽の世界

「なになに?何がなるほどなの?」

お客さんが帰った後のテーブルを片付けて、雅紀が戻ってきた

「松本さんも相葉さんも、お互いの事が大好きなんだね、って話」

俺が答える前に、大野くんがすかさず答える

「そんな事は言ってないだろ」

「でも要約すればそう言う事でしょ?」

俺が否定しようとすると、今度は翔くんが間に入る

「まぁ、そうだな」

「もぉ〜!潤ちゃんてば!
そんな事ふたりに話してたの?嬉しい〜」

そうなるとは予想がついたけど
雅紀が横から、俺の首に腕を巻きつけ抱きついてきた

「見せつけてくれるねぇ」

「それよりも、ケーキ、何にするか決まった?」

雅紀をそのままにして、ふたりに尋ねる

「あー、そうだった…どうすっかなぁ…」

スイーツ男子の大野くんは、まだ決めかねてるみたいだ

「じゃあさ、ケーキは4種類とも頼んで、ふたりで半分ずつ食べよ?
プリンは買って帰れば
全種類、制覇出来るだろ?」

「おっ!さすが翔!ナイスな提案だな」

「くふっ…ほんと仲良しさんなんだからぁ」

「だろ?」

大野くんが、翔くんの肩を抱き寄せた

「さ、さとしっ!」

顔を紅くして、大野くんから離れようとする翔くん

「でも、まだまだだな…」

「え?なに?潤ちゃん」

「翔くんは、まだ甘い汁にどっぷり浸かってないってこと」

3人が、不思議顔して俺を見た

甘いシロップにどっぷりと浸かりきれば、甘いコンポートが出来るように

相手の甘さにどっぷり浸かれば
自分自身も甘くなるよ…

「雅紀…」

「ん?」

「今年の俺の誕生日は、愛情たっぷりの桃のタルト、よろしくな?」

抱きついてる雅紀に、ニコッと笑ってお願いすると
頬へのキスと一緒に返事が返ってきた

「うんっ、任せて♪」

今年の誕生日も、甘い一日になりそうだ。


〈end〉

ストーリーメニュー

TOPTOPへ