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Happiness day

第26章 太陽の世界

「智、何食べるか決まった?」

カウンター席で、ふたり肩を寄せ合い、仲良く一冊のメニュー表を覗き込む姿は、見ていて微笑ましい

「ん〜、まだ。今の時間にガッツリ食ったら、夜食べられないよなぁ…
翔は決まったのか?」

「俺もまだ」

いつもなら、そんなに迷わないのに
今の時刻がランチと言うよりも、ティータイムに近い時間だからか、ふたり共迷ってるみたいだ

「たまにはスイーツとか、どう?
いつもは頼まないだろ?
ウチの店はスイーツも自家製で、美味いよ」

そうアドバイスすると、大野くんの目がキラッと光り、俺を見た

「自家製スイーツ⁈」

「うん。どれ食べても美味いよ
自信を持ってお勧めする」

「へぇ…松本さんがお勧めするなんて、余程の自信作なんだね
なら、今日はケーキでお茶しようか?智」

「おうっ!
何がいっかなぁ…チョコレートケーキ、チーズケーキ、シフォンケーキ、季節のタルト…プリンもあるんだ?…迷うなぁ…」

「楽しそうだね、大野くん」

「智はスイーツ男子だから」

メニューと睨めっこしてる大野くんの代わりに、翔くんが答えてくれた

「へぇ…雅紀と一緒だ」

「相葉さんもスイーツ男子なの?」

「うん。ここのスイーツは、全部雅紀が作ってるんだよ」

「ふ〜ん、なるほどねぇ…
だから自信満々にお勧めして来たんだ?」

「いつもとは、逆だな?」

翔くんと大野くん、ふたりしてニヤッと笑って俺を見る

「逆って?」

「いつもは、相葉さんが料理自慢するから」

「『潤ちゃんの作る料理は何でも美味しいよ』ってね?」

「そうそう!俺たちが『美味い!』って言うと、凄く嬉しそうなんだよね」

「そんなだから、ふたりの関係性もすぐにわかったんだよ」

「あー…なるほど…」

俺が日頃から感じている愛情ダダ漏れ状態は、見る人が見ればわかるってことか

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