テキストサイズ

Happiness day

第27章 movin’ on

「こんにちは」

入口で講習の受付をしていた大野さんに挨拶をすると、ニコッと笑って挨拶を返してくれる

「こんにちは、翔ちゃん。待ってたよ」

「え〜、翔ちゃんだけぇ?
俺の事は、待っててくれなかったの?」

「ふふっ…相葉くんのことは、カズとジュンが首を長くして待ってるよ?」

「ほんとっ⁉︎じゃあ、急がなきゃ!
カズー!ジュンー!今すぐ行くから、待ってろよぉー」

雅紀が叫びながら、カズとジュンのいる部屋に向かって走り出す

「あっ!こらっ、雅紀っ!走るな!」

「は〜い!」

走るのはやめたけど、早足でそのまま行ってしまった…

「もう…ほんとせっかちなんだから…」

「それだけカズとジュンが可愛いんだろ?」

「ですね」

「翔ちゃんは、2匹に会いに行く前に、講習の受付してってね?」

「はい」

大野さんが受付用紙とペンを出してくれた

そこには、基本的な個人情報と、家庭環境なんかを記入する

ペットを飼える環境にあるのかどうかも、大切な判断基準になるそうだ

無責任に譲渡せず
ここから巣立っていく動物たちが、しあわせに暮らせるかを見極めるのも、ここのスタッフたちの大きな仕事だと雅紀が話してくれた

「櫻井翔くん」

「はい」

大野さんに名前を呼ばれて返事をする

用紙から視線を上げ、ふにゃりと笑う大野さん

「あぁ…ごめんね?初めてフルネーム知ったから、声に出して読んじゃった」

なんだ…呼ばれたんじゃなかったのか…
思いっきり返事しちゃって恥ずかしい

「ふふっ…翔ちゃんも可愛いね」

フォローしてくれた?
でも、そんな風に微笑まれると、余計に恥ずかしいんですけど…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ